【フレンチ×プチミステリー】タルト・タタンの夢【おすすめ本紹介】

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あらすじと基本情報~ドラマ化もされた料理×プチミステリー~

「タルト・タタンの夢」は近藤史恵さんの、フレンチレストランを舞台にした人気シリーズの第一作目です。

タルト・タタンの夢 (創元推理文庫) [ 近藤史恵 ]

価格:770円
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感想(20件)

内容紹介(「BOOK」データベースより)

商店街の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。シェフ三舟の料理は、気取らない、本当のフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。常連の西田さんが体調を崩したわけは?フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか?絶品料理の数々と極上のミステリ。

現在までに同シリーズで4冊出版されています。「タルト・タタンの夢」「ヴァン・ショーをあなたに」「マカロンはマカロン」「間の悪いスフレ」。

ヴァン・ショーをあなたに (創元推理文庫) [ 近藤史恵 ]

価格:770円
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感想(8件)

マカロンはマカロン (創元推理文庫) [ 近藤 史恵 ]

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感想(12件)

間の悪いスフレ (創元クライム・クラブ) [ 近藤 史恵 ]

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感想(1件)

舞台はフランス料理店「パ・マル」。パ・マルは高級レストランではなく小さなビストロ。ビストロはいわゆる定食屋という位置づけだそうです。

世界のミフネと同じ苗字、三舟シェフがメインシェフのお店。基本的に語り手となる主人公は、パ・マルのギャルソン高築くん。もう1人のシェフ志村さんと、ワインソムリエの金子さんの4人がパ・マルのメンバーです。

本作はそんなパ・マルで起こる出来事を描いたショートストーリー集。日常生活に起こる事件やちょっとしたミステリーと謎解きが料理に絡めて描かれます。

夫婦や男女の人間関係にまつわる話が多いような印象です。気楽だけど洒落たフレンチレストランが舞台なので、自然な流れかもしれません。

人気俳優でドラマ化されてもおかしくないような内容です。気軽で簡単に読めるお話ばかりなんだけど、しっかりエンタメ性もあります。登場人物も「わりといい男」とされる三舟シェフをはじめとするパ・マルのメンバーだったり、各回の主人公となる魅力的なお客さんだったり、みんな華がある。

もちろん視覚で見たら絶対楽しいフランス料理は言うに及ばず。

なんて映像化向きの作品なんだ・・・と思って読んでいたら、やはりドラマ化されていました!

テレビ東京系でタイトルは「シェフは名探偵」というドラマのよう。

簡単な感想

色んなエピソードがあるけど、それぞれのお話がオチがすっきりしていておしゃれ。ちなみに文体もとにかくすっきり簡潔で、読みやすいです。

個人的に好きだったのは「マカロンはマカロン」に収録の表題作「マカロンはマカロン」と「ヴィンテージワインと友情」かな。

さらに内容に触れる感想。

「マカロンはマカロン」は現代の感覚にぴったりあってるジェンダーに関係するお話。結局タイトルが結論。

「ヴィンテージワインと友情」では、相手の人としての尊厳を尊重することが、相手のことを好きか嫌いかという感情よりももっと大切。それも友情の一つ。というテーマが素敵でした。

全体にそこはかとなく香る、おしゃれ感。軽やか感と華。シンプルで気さくで軽やかだけど、中身とひねりがちゃんとそこにあるという味わいはパ・マルの料理のようです。

そしてとにかくうっとりするようなフランス料理の描写。

謎解きのために、どうしても三舟シェフの洞察力が凄すぎるのでは、と感じる場面もあるけど。それよりも読中感、読後感が楽しいのであまり気にならず。

「ちょっと素敵なお話を読んで、ちょっといい気分になりたい」という欲求にぴったり応えてくれます。そういう本はありそうであまりない。この間口の広さ。誰に対しても少しの、しかし上質な素敵を提供してくれる感じが、人気作というのも頷けるシリーズです。

近藤史恵さんといえば、サスペンスとそれに絡む女性同士の絆を描く「インフルエンス」も面白かったです。WOWWOWでドラマ化もされました。あまりに面白く、近藤さんの本を他にも読んでみよう!となったきっかけの本です。今度詳しく紹介します。

インフルエンス (文春文庫) [ 近藤 史恵 ]

価格:726円
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感想(1件)

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